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差額負担の医療を受けるとき

保険適用外の療養を受けても、一定の条件を満たしていれば、保険が適用される療養については「保険外併用療養費」として給付を受けることができます。

  • 解説

保険外併用療養費

一定の条件を満たせば、「混合診療」が認められます

健康保険では、保険が適用されない療養を受けると、保険が適用される部分も含めて、医療費の全額が自己負担となります。しかし、医療技術の進歩や患者のニーズの多様化に対応するために、保険が適用されない療養を受けても、一定の条件を満たした「評価療養」、「患者申出療養」または「選定療養」であれば、保険が適用される部分については保険給付が行われます。
このように、いわゆる「混合診療」を例外的に認める給付が保険外併用療養費です。

評価療養

医学的な価値が決まっていない新しい治療法や新薬など、将来的に保険導入をするか評価される療養

評価療養の例

「先進医療」

「先進医療」の制度では、保険診療と保険外診療の併用が特別に認められています。安全性や有効性など一定の条件を満たすと認められた「先進医療」を受ける場合、先進医療の技術にかかる費用は全額自己負担となりますが、診察など一般の治療と共通する部分の費用は健康保険の給付対象となるため、自己負担が軽減されます。

なお、先進医療の医療技術は、厚生労働省が定めた基準を満たした医療機関でのみ受けることができます。

患者申出療養

患者からの申し出を起点として、国内未承認医薬品等の使用や国内承認済みの医薬品等の適応外使用等を、迅速に保険外併用療養として使用できる療養

申出から実施までの流れ

患者がかかりつけ医等と相談のうえ、保険外の最先端医療技術と保険診療の併用を希望した場合、臨床研究中核病院または特定機能病院に申出を行います。患者は治療の有効性や安全性等の説明を受けたうえで、臨床研究中核病院等が作成した意見書を添えて、国に患者申出療養の申請を行います。国による審査期間は、先進医療では6ヵ月程度かかっていましたが、患者申出療養では原則6週間(前例がある医療については原則2週間)に短縮されます。

審査が認められると、申出を受けた臨床研究中核病院等で治療が行われますが、審査結果によっては、患者の身近な医療機関での実施が可能となる場合もあります。

選定療養

特別な療養環境など患者が自ら希望して選ぶ療養で、保険導入を前提としない療養

選定療養の例

「差額ベッドへの入院」

入院の際、個室など普通より条件の良い病室を希望する場合、保険の適用外となりますが、入院の室料にあたる差額分を自己負担すれば、あとは保険が適用されます。一般によく「差額ベッド」といわれるものです。

「歯の治療(保険外併用療養費が認められる場合)」

歯の治療にあたり、保険が認められていない方法や材料で治療をすると自費診療となり、治療費が全額自己負担となります。ただし、前歯部に金合金などの材料を使用する場合や金属床総義歯などは、保険外併用療養費の対象となり、差額負担で済みます。治療にあたっては、治療方法や費用などをよく確認するようにしましょう。

「後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)」

2024年10月より、ジェネリック医薬品がある先発医薬品(長期収載品)の処方を希望する場合、医薬品によっては、それらの薬価の差額の1/4相当が自己負担に加算されます。

詳しくはこちらをご参照ください。

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